残業30時間はありえない？きつい・つらいから辞めたいと感じるのは何時間から？

結論：残業30時間は「普通」とされがちですが、人によっては十分きついと感じるラインです。

転職を考える中で、

「残業30時間って多いの？」
「辞めたいと思うのは甘えなの？」

と疑問に感じたことはありませんか？

実際には、業界や会社の風土によって残業の捉え方はさまざま。

この記事では、「残業30時間」のリアルな実態や感じ方、辞めたくなるボーダーラインについて、詳しく見て行きます。

あなたの働き方を見直すヒントとして、ぜひ参考にしてください。

残業30時間はありえないのか？

「30時間＝ありえない」は人によって感じ方が違う

月30時間の残業を「ありえない」と感じるか、「この程度なら普通」と感じるかは、その人がどんな職場で働いてきたかによって大きく異なります。

たとえば、前職でほとんど残業がなかった人にとっては、30時間でもかなりの負担に感じるでしょう。

一方、毎月50時間以上残業していたような環境にいた人にとっては、「むしろ少なくて助かる」と思えるラインかもしれません。

要するに、残業時間の多さは“数字”だけで判断せず、「自分にとってどうか」が重要です。

周りがどう思おうと、あなた自身が「無理」と感じるなら、その感覚は正しいものとして受け止めて良いのです。

法的には“アウト”ではないが、実態が問題になる

法律の観点から見れば、残業30時間は明らかに違法というわけではありません。

労働基準法では、残業の上限は原則として「月45時間・年360時間まで」とされており、30時間はその範囲内です。

ただし問題なのは、その残業が「常態化しているかどうか」や「業務量と賃金が見合っているか」です。

毎日ダラダラと残業が続いている、納期に追われて早朝出勤と夜遅くの帰宅が当たり前になっている、しかも残業代が固定で増えない――そんな環境であれば、「30時間」でも相当ブラックな実態と言えるでしょう。

ライフスタイルとの相性も見逃せない

「30時間くらいなら頑張れる」と感じるのは、独身で自由に時間を使える人や、仕事に全力投球したいという時期の人かもしれません。

しかし、家庭を持っていたり、育児や介護など家庭との両立が必要だったりする人にとっては、毎月30時間の残業は大きな負担になります。

さらに、自己投資や副業、資格の勉強、趣味など、“仕事以外の時間を大事にしたい”人にとっても、30時間という残業は無視できない壁になります。

時間は有限であり、1日2時間、1か月で30時間の積み重ねは、想像以上にプライベートを圧迫します。

「周囲と比べて大したことない」は気にしなくていい

よく、

「他の会社ではもっと残業してる」
「それぐらいで文句を言うなんて甘え」

と言う人もいますが、そうした意見に振り回される必要はありません。

自分の心と身体に余裕がないと感じるなら、それは立派な問題です。

周囲に合わせて無理を重ねることで、心身の健康を害する人は少なくありません。

ストレスを感じているのに「まだ耐えられるはず」と頑張りすぎてしまうと、メンタル面での不調につながるリスクもあります。

【総括】あなたにとって「きつい」と感じるなら、それが判断基準になる

月30時間の残業は、法律的には許容範囲であり、「一律にありえない」とは言えません。

ただし、生活の充実度や身体的・精神的な余裕、仕事のモチベーションとのバランスが取れなくなっているなら、

「自分にとってはありえない働き方だ」

と捉えて問題ありません。

無理をし続けるよりも、

「今の働き方を見直したい」
「もっと自分に合った職場を探したい」

と思えたなら、それは転職を検討するタイミングかもしれません。

きつい・つらいと感じるのは何時間から？

働く時間が長くなるほど、心身の疲労は蓄積されていきます。

では、どれくらいの労働時間から「きつい」「つらい」と感じる人が多いのでしょうか？

個人差はありますが、目安として 1日10時間以上、週50時間を超える労働 は、多くの人が「しんどい」と感じやすいラインです。

特に休憩が取れない、残業が常態化している、休日に仕事のことが頭から離れない――こうした状況が続くと、心も体も限界を迎えやすくなります。

ここでは、長時間労働の目安やその影響、注意すべきサインについて詳しく見ていきます。

「20時間を超えるとつらい」と感じる人が多い傾向

人によって感じ方は違いますが、一般的に

月20時間を超えるあたりから、残業が“つらい”と感じる人が増えてくる

と言われています。

1日あたりにすると約1時間の残業。

この程度なら「ちょっと多いけど許容範囲」と感じる人もいる一方で、日々の積み重ねで体力的・精神的にじわじわと効いてくるラインでもあります。

特に、通勤時間が長い人、子育てや家事がある人、職場環境がストレスフルな人などは、この20時間という数字が「もう限界」となる分岐点になりやすいのです。

生活時間とのバランスが崩れるのが“しんどさ”の正体

残業がつらく感じる理由のひとつに、「自分の時間が奪われる」という感覚があります。

たとえば、仕事が終わってから自炊したい、趣味の時間がほしい、子どもと過ごしたい、資格の勉強をしたい――そう思っていても、残業で帰宅が遅くなるとすべてが後回しに。

これが続くと

「毎日仕事だけで終わっている」
「人生のコントロールを失っている」

というストレスに変わり、精神的な疲労や無力感を招く原因になります。

つまり、「残業時間＝単なる労働の量」ではなく、「自分の生活とのバランスをどう崩しているか」が、つらさを左右するのです。

週1回以上の残業ペースが続くと疲労は蓄積されやすい

仮に月20時間の残業があるとすると、週5勤務で割ると1週間あたり約5時間。

つまり、週に1回は2時間以上の残業があるか、毎日少しずつ残業している計算になります。

この程度の残業でも、連日となると体調やメンタルに影響するケースも少なくありません。

特に集中力を要する仕事や、対人ストレスの多い職場では、たとえ“短時間”の残業でも心身の負担が大きくなります。

疲れが翌日に持ち越されるようになると、結果としてミスが増えたり、朝から憂うつな気分が続いたりすることもあるため、「時間の長さ」だけでなく「頻度」にも注目すべきです。

仕事量と評価が見合わないとき、人はよりつらく感じる

また、残業そのものよりも、「報われない」と感じる状況が、つらさを倍増させる要因です。

例えば、残業をしても評価されない、成果として認められない、昇給もない――そんな状況では、

「なぜこんなに頑張っているんだろう？」

という疑問が常につきまとうようになります。

働く意味が感じられないまま時間だけを奪われると、やる気も下がり、ただの“我慢”として残業を耐えるだけの日々になってしまいます。

【総括】20時間を超えると「自分の時間がない」と感じやすい

多くの人がつらいと感じ始めるラインは、月20時間前後。

これは、体力や時間の余裕が失われ、自分のライフスタイルを大事にできなくなることに起因しています。

つらさを感じるラインは人それぞれですが、

「最近いつも疲れている」
「平日まったく自分の時間が取れない」
「日曜の夜が憂うつ」

――そういった感覚があるなら、残業時間に限らず、働き方を見直すタイミングかもしれません。

30時間の残業で辞めたいと思うのは甘すぎる？

「残業が月30時間を超えたら、もう無理かも…」

そんなふうに感じている自分に対して、「これって甘えなのかな？」と不安になる人も少なくありません。

ですが、月30時間の残業＝1日1〜1.5時間の残業が毎日続く状態です。

決して軽視できる負担ではなく、働く人の生活やメンタル、体調にじわじわと影響を及ぼします。

ここでは、「月30時間の残業」がどれほどの負荷なのか、辞めたいと思うのは本当に甘えなのか、冷静に整理してみましょう。

「甘え」ではなく、感じ方は人それぞれ

月30時間の残業を「辞めたい」と感じるのは、決して甘えではありません。

そもそも「耐えられる残業時間」は人によって異なり、体力や性格、生活スタイル、職場環境などさまざまな要因が影響します。

ある人にとっては「まだ大丈夫」と思える30時間でも、別の人には「もう限界」となることもあります。

この感覚を

「我慢が足りない」
「社会人として未熟」

と片付けるのは、非常に乱暴な判断です。

「辞めたい」と思う背景には“働き方のミスマッチ”がある

月30時間の残業があるからといって、必ずしも全員が辞めたくなるわけではありません。

問題は「残業の量」ではなく、その残業が“納得できるものかどうか”です。

たとえば、

といった要素があれば、人は多少の負荷があっても前向きに働けます。

一方で、

こういった状況で30時間の残業が続けば、「もう無理」と思うのは自然な感情です。

つまり、「30時間」という数字だけを見て判断するのではなく、その背後にある働き方や職場の空気に目を向けることが重要です。

無理に我慢を続けるほうがキャリアに悪影響を与えることも

「30時間の残業ぐらいで辞めたら、次の職場で通用しないのでは…」

と不安になる人もいるでしょう。

ですが、無理に自分を押し殺して働き続けても、心や体を壊してしまっては本末転倒です。

たとえば、慢性的な疲労からメンタル不調に陥り、退職後しばらく働けない…というケースも実際に多くあります。

それよりも、「今の働き方は自分に合っていない」と気づき、早めに方向転換することのほうがキャリアにとってプラスに働く可能性が高いのです。

転職によって、残業がほぼなくなり、収入も生活も安定したという人も少なくありません。

【総括】「辞めたい」は甘えではなく、働き方を見直すサイン

月30時間の残業で辞めたいと感じることは、決して甘えではなく、今の働き方に違和感を抱いている証拠です。

その感情にフタをするのではなく、

「何がつらいのか」
「どうすれば改善できるのか」

を整理することが大切です。

我慢しすぎて体調を崩す前に、自分に合った働き方や職場を探す――それは立派な自己防衛であり、前向きなキャリア選択です。

残業30時間はホワイト企業なのか

「うちの会社、月30時間くらい残業あるけど…これってホワイト企業って言えるの？」

そんな疑問を持つ人は少なくありません。

働き方改革が進んできた今、残業時間は企業の“健全さ”を見極めるひとつの指標になっています。

とはいえ、単に残業時間が少ないからホワイト、というわけではありません。

残業30時間という数字の見え方は、業界や職種、会社の制度によっても変わってくるのが実情です。

ここでは、「月30時間の残業」が一般的にどのレベルなのか、ホワイト企業の基準としてどう判断すべきかを詳しく見て行きます。

平均残業時間だけではホワイト企業かどうかは判断できない

「月30時間の残業」と聞くと、ブラックなのかホワイトなのか気になる人も多いと思います。

結論から言えば、

残業30時間だからといってホワイト企業とは限りません。

その逆に、

残業30時間あるからといって必ずしもブラックとも言い切れません。

というのも、「ホワイト企業かどうか」は残業時間“だけ”で決まるものではないからです。

これらが総合的に整っているかどうかが「ホワイト企業」の本質です。

厚労省のデータでは「月30時間」はほぼ平均レベル

参考までに、厚生労働省の『毎月勤労統計調査』によると、

日本企業の正社員の平均残業時間はおよそ月20～30時間程度とされています。

つまり、30時間というのは平均的な水準に近い数字です。

実際、世間的に「ホワイト企業」と呼ばれている企業でも、プロジェクトの繁忙期などには月30時間ほどの残業が発生するケースもあります。

一方、残業が10時間未満でも、

「サービス残業ばかり」
「有給が取れない」
「パワハラが横行している」

などの職場は、明らかにブラックです。

重要なのは、

“残業が適正な形で管理・運用されているかどうか”

という視点です。

残業30時間でも「納得感」があればホワイトに感じることもある

ホワイト企業の多くは、仮に残業があっても、

といった特徴を持っています。

こうした職場では、社員も

「この残業は仕方ない」
「ちゃんと報われている」

と感じやすく、精神的なストレスも軽減されます。

逆に、同じ30時間でも

「強制的に残される」
「上司の機嫌でスケジュールが変わる」
「給料に反映されない」

といった環境では、ブラック企業の典型パターンといえるでしょう。

【総括】「ホワイト企業＝残業ゼロ」ではない

残業時間の長さだけを見て、「この会社はホワイト」「これはブラック」と一刀両断するのは危険です。

大切なのは、その残業がどう管理され、どう受け止められているかです。

30時間の残業でも、きちんと報酬が出て、ワークライフバランスが取れているならば、その職場はホワイトと感じるかもしれません。

一方で、たとえ残業が少なくても、職場環境が悪ければ、働き続けるのはつらくなるでしょう。

“数字だけにとらわれず、本質を見抜く目”を持つことが、働きやすい会社選びの第一歩です。

残業30時間だと1日何時間計算になる？

「月に30時間の残業って、結局1日あたりどれくらい働くことになるの？」

転職活動や企業選びの際、求人票に書かれた“月の残業時間”がどのくらいの負担になるかをイメージするのは大切です。

一見、30時間と聞くと少なく感じるかもしれませんが、実際に平日ベースで換算すると、毎日の生活にどれほど影響するかが見えてきます。

ここでは、月30時間の残業が1日あたりどれくらいの時間にあたるのかをわかりやすく計算し、日々の働き方にどんな影響があるのかを見ていきます。

月30時間の残業は、1日あたり「約1.5時間」

残業30時間と聞くと「けっこう多いな」と感じる人もいるかもしれません。

ですが、実際に1日あたりの時間に換算してみると、およそ1時間半程度になります。

たとえば、月の出勤日数が20日と仮定すると、

30時間 ÷ 20日 ＝ 1.5時間／日

という計算です。

つまり、定時が18時なら、毎日19時30分まで働いているようなイメージになります。

もちろん、実際には日により残業が多い・少ないの波はありますが、平均的にはこの程度です。

「1.5時間」の負担感は人によって大きく違う

たった1.5時間とはいえ、毎日となるとやはり負担は感じます。

特に以下のようなケースでは、この1.5時間が大きなストレス要因になることがあります。

つまり、「残業1.5時間＝軽い」とは一概には言えません。

日常生活への影響や、体力・精神的な負荷をどう感じるかは人それぞれです。

週ごとに見るとさらに実感しやすい

さらに具体的にイメージするために、週単位で計算してみましょう。

月30時間の残業は、1週間で約7.5時間です。

これを5日間で割ると、やはり1日1.5時間になりますが、例えば

といったイメージを持つと、現実味が出てくるかもしれません。

【総括】毎日少しずつ残業が積み重なると「生活の質」に影響する

月30時間の残業は、数字で見ると「大きな負担ではなさそう」と感じるかもしれません。

ですが、毎日1時間半の残業が続く生活を想像してみてください。

夕食の時間が遅れたり、家族との時間が減ったり、趣味や休息の時間が削られたりと、じわじわと生活の質に影響を与えます。

「働く時間」と「自分の時間」のバランスをどう取るかは、キャリアと人生にとって非常に大切なポイントです。

「残業30時間＋手取り25万」の年収の目安

手取り25万円とは「額面約31万〜33万円」が目安

「手取り25万円」というと、月の給料としてはしっかりもらっているように見えますが、手取り＝実際に振り込まれる金額のため、社会保険料や税金がすでに差し引かれた後の金額です。

通常、独身・扶養なしの社会保険加入者であれば、手取りは額面(総支給)の約75〜80%程度となるため、額面で考えると以下の通り。

手取り25万円 ÷ 0.75〜0.80 ≒ 月収31〜33万円

つまり、

「残業込みで月給31〜33万円くらいもらっている」

という計算になります。

年収に換算すると「約370万〜400万円前後」

月の額面給与が31〜33万円で、ボーナスがない(もしくは少額)と仮定した場合、年収はこのように見積もれます。

31万円 × 12ヶ月 ＝ 372万円
33万円 × 12ヶ月 ＝ 396万円

つまり、「残業30時間＋手取り25万円」の場合、年収はおおよそ370万円〜400万円程度となるでしょう。

※ここに賞与が支給される場合は、さらに数十万円〜100万円ほど年収が上乗せされます。

残業代を除くと「実質的な基本給」は低い可能性も

ここで重要なのは、この年収は残業30時間分の手当を含んだ数字である点です。

つまり、残業代がなければ、手取りは20万円〜22万円程度まで下がる可能性があります。

たとえば、30時間分の残業代が月に5万円ほどだとしたら、実質の基本給は月25万−5万＝20万円前後。

そうなると、

「基本給が低くて、残業しないと稼げない」

という構造になっているケースもあるのです。

【総括】安定した生活を送るには「残業ありきの給与設計」は要注意

「手取り25万円・残業30時間」で見れば、生活水準としては一見悪くないように思えます。

しかし、その収入の一部が

「労働時間を増やして得ている残業代」

であるなら、その働き方がずっと続けられるかを見直す必要があります。

これらの観点から、給与と働き方のバランスを見直すことが、転職やキャリア設計を考えるうえで非常に重要です。