「自分の市場価値って、どのくらいなんだろう?」
「今の年収は、自分の経験に対して妥当なのかな?」
「転職するつもりはないけれど、他社でも通用するのか知っておきたい」
長く同じ会社で働いていると、こんなことが気になるときがありますよね。
社内では何年も経験を積んできた。
任される仕事も増えた。
でも、その経験が会社の外へ出たときにどう見られるのかは、意外と分かりにくいものです。
私自身、20代・30代・40代で3回転職しています。
最初のころは「市場価値」と聞くと、まず年収を思い浮かべていました。
今より高い年収で転職できるなら、市場価値が高い。
そうでなければ低い。
そんな見方ですね。
ただ、転職を重ねるうちに、それだけでは自分のキャリアをうまく説明できないと感じるようになりました。
機械設計者であれば、
- 何を設計してきたのか
- どの工程まで担当してきたのか
- どんなCADや解析ツールを使ったのか
- 設計だけでなく、試作・評価・量産・不具合対応まで経験したのか
- 顧客や製造部門、品質、サプライヤーとどんな調整をしてきたのか
- そして、その経験を求めている求人が実際にあるのか
こうしたところまで見た方が、社外での選択肢は分かりやすくなります。
つまり、この記事でいう「市場価値」は、
「自分はいくらの人材なのか」
と値札をつけるようなものではありません。
「自分の経験やスキルが、転職市場のどんな求人・役割・条件と結びつくのか」
を確認する考え方です。
転職する気がなくても問題ありません。
外の求人を確認した結果、
「今の会社に残ろう」
となることもあるでしょう。
「もう少し今の職場で経験を積んでから考えよう」
でもいいですよね。
反対に、
「今の経験なら、思っていたより選択肢がありそうだ」
と分かるかもしれません。
この記事では、現役の機械設計エンジニアとしての経験も交えながら、自分の市場価値やキャリアの選択肢を確認する方法を順番に整理します。
転職するかどうかを決める記事ではありません。
自分の現在地を知り、次の選択肢を考えるための記事です。
転職するか決めていなくても、自分の選択肢を確認したい方へ
市場価値を確認する方法のひとつは、自分の経験がどんなメーカー求人につながるのかを実際に見てみることです。
自分一人では、
「この経験って他社でも使えるのかな?」
「この仕事内容なら、どんな求人が候補になるんだろう?」
と判断しにくいこともありますよね。
製造業での経験や希望条件を整理しながら、求人や今後のキャリアについて相談したい場合は、メーカーズジョブのような製造業に特化した転職エージェントを利用する方法もあります。
ここで大切なのは、相談したからといって、すぐ転職すると決める必要はないこと。
まずは自分の選択肢を知る。
そこから考えても遅くありません。
エンジニアが自分の市場価値を知る方法は?
自分の市場価値を知りたいと思ったとき、
「自分なら年収いくらで転職できるんだろう?」
と考えたくなるかもしれません。
年収も大切な判断材料です。
とはいえ、最初から金額だけを見てしまうと、自分の経験と求人の関係が見えにくくなります。
機械設計やメーカー技術職であれば、まずは次の4つで確認してみると整理しやすくなります。
- 職務経歴を棚卸しする
- 実際の求人と自分の経験を照らし合わせる
- 製造業に強い転職エージェントへ相談する
- 現職での評価と社外で求められる経験を比較する
ポイントは、市場価値を「自分の値段」ではなく、「自分の経験と求人の接点」として見ること。
たとえば、
「機械設計経験10年」
だけでは、どんな求人につながるのかまでは分かりません。
一方、
「産業機械の詳細設計を担当」
「3D CADを使用」
「試作・評価にも参加」
「量産後の設計変更や不具合対応を経験」
「製造部門やサプライヤーとの調整も担当」
まで分けると、求人との比較がしやすくなります。
同じ「機械設計10年」でも、中身はかなり違いますよね。
だからこそ経験年数だけではなく、
何を・どの工程で・どんな役割で経験してきたのか
まで確認したいところです。
市場価値を知るというより、自分の経験を必要としている場所を探す。
このイメージの方が、機械設計者には分かりやすいのではないでしょうか。

転職する気がなくても市場価値を確認しておくメリット
「でも、今のところ転職する予定はないんだけど……」
という方もいますよね。
それでも、社外の求人や自分の経験を確認しておく意味はあります。
なぜなら、
市場価値を確認することと、転職を決めることは別だから。
確認した結果、今の会社に残ることだってあるでしょう。
むしろ転職を急いでいない時期の方が、条件を冷静に見やすいこともあります。
今の会社に残る判断材料になる
外の求人を見ると、
「ほかの会社の方が条件がよさそう」
と感じることがあります。
反対に、
「比べてみると、今の会社も悪くないな」
と気づくケースもあるでしょう。
- 仕事内容
- 年収
- 勤務地
- 休日
- 転勤
- 働き方
- 担当できる工程
こうした条件を外の求人と比べると、今の会社を見る基準も増えてきます。
普段は今の会社の中だけで考えているため、
「これが普通」
と思いがちですよね。
外を見ることで、その「普通」を比較できるようになります。
転職先を探すためではなく、
今の会社に残る理由を確認するために外を見る。
そんな使い方もあります。
今の年収や待遇を考えるきっかけになる
今の年収が妥当なのか気になる方も多いでしょう。
求人サイトを見ていると、
「年収700万円」
「年収800万円」
といった求人が見つかります。
そうすると、
「自分もこれくらいもらえるのでは?」
と思いますよね。
ただ、高年収の求人があるからといって、
自分の市場価値=その求人年収
とは限りません。
その求人が求めている、
- 担当製品。
- 担当工程。
- 経験年数。
- 技術。
- 役割。
- マネジメント経験。
などを見て、自分の経験とどのくらい重なるのかを確認する必要があります。
それでも、似た経験を求める求人を何件か見ていると、
「自分に近い経験の人は、どんな条件で募集されているのか」
という感覚はつかみやすくなります。
今の待遇について考える材料にはなりますよね。
年収だけで転職先を決める必要はありませんが、比較材料として持っておく価値はあります。
今後積んだ方がよい経験が見えてくる
個人的には、市場価値を確認するメリットとして、ここはかなり大きいと感じています。
求人を見ると、
- 「構想設計経験を歓迎」
- 「試作・評価まで担当できる人」
- 「量産立ち上げ経験がある方」
- 「顧客との仕様調整経験」
- 「チームリーダー経験」
など、自分の今後を考えるヒントが並んでいます。
そこで、
「今の自分には評価経験が少ないな」
「これから量産立ち上げにも関われると選択肢が増えそうだ」
「技術だけでなく、顧客との調整経験も整理しておいた方がよさそう」
と気づくことがあります。
これは、すぐ転職しなくても使える情報です。
今の会社にいる間に、
次はどんな仕事へ手を挙げるか。
どんな経験を積んでおきたいか。
どこまで担当範囲を広げたいか。
そんなことを考えられます。
市場価値の確認は、現在の評価を知るだけではありません。
これから何を経験するか考える材料にもなる。
ここはぜひ意識しておきたいところです。
急に転職が必要になったとき慌てにくい
転職するタイミングは、いつも自分で選べるとは限りません。
- 会社の状況
- 勤務地の変更
- 仕事内容の変化
- 家庭の事情
- 上司や組織の変更
いろいろなきっかけがあります。
それまで外の求人をまったく見たことがない状態で、
「転職しなければ」
となると、焦りますよね。
自分は何ができるのか。
どんな求人へ応募できるのか。
今の年収は高いのか低いのか。
転職活動の始め方はどうするのか。
一度に考えることが増えてしまいます。
私自身は、転職が必要になってから初めて外を見るより、余裕がある時期にどんな求人があるのか知っておく方が、落ち着いてキャリアを考えやすいと感じていました。
もちろん、これは私自身の経験からの感覚です。
ただ、
「今すぐ転職しないから求人を見ても意味がない」
と考えなくてもいいでしょう。
選択肢を知っておくことと、実際に選ぶことは別です。
社内異動やキャリア面談にも活かせる
外の求人を見た結果、
「転職したい」
ではなく、
「今の会社でもう少し違う経験を積みたい」
となることもあります。
たとえば、
- 詳細設計中心だったので、仕様検討にも関わってみたい。
- 設計だけでなく評価まで経験したい。
- 量産立ち上げを経験したい。
- 技術専門職を目指すのか、リーダー経験を積むのか考えたい。
こうした希望が整理できれば、社内異動や上司とのキャリア面談でも話しやすくなります。
なんとなく、
「成長したいです」
と話すより、
「今後は量産立ち上げまで担当できる経験を積みたい」
の方が具体的ですよね。
外を知ることで、今の会社で何をしたいかが見えてくる。
これも市場価値を確認するメリットのひとつです。

機械設計エンジニアの市場価値は何で決まる?
では、機械設計エンジニアの場合、どんなところを見ればよいのでしょうか。
「経験年数が長いほど市場価値が高い」
とは単純に言えません。
同じ10年でも、経験してきた仕事は人によってかなり違いますよね。
市場価値を考えるなら、経験をいくつかに分けて見ていきます。
担当してきた製品
最初に整理したいのが、何を設計してきたのか。
- 自動車部品
- 産業機械
- 半導体製造装置
- 精密機器
- 家電
- 生産設備
機械設計といっても対象はさまざまです。
ここで、
「自動車だから市場価値が高い」
「産業機械だから低い」
という単純な話にはしません。
重要なのは、その製品経験を求めている求人があるかどうか。
同じ製品分野なら、これまでの知識を説明しやすい求人もあります。
一方で製品が違っても、
- 使っている技術
- 担当工程
- 設計の考え方
- 量産経験
などが近く、経験をつなげられる求人もあるでしょう。
会社名や業界名だけを見るのではなく、仕事内容まで確認したいところです。
どの工程まで経験しているか
次に見たいのが担当工程。
たとえば、
- 構想
- 仕様検討
- 基本設計
- 詳細設計
- 解析
- 試作
- 評価
- 量産立ち上げ
- 設計変更
- 不具合対応
同じ「機械設計」という職種でも、担当範囲はかなり違いますよね。
転職活動を始めたばかりのころは、
「機械設計経験○年」
でまとめてしまいがちです。
私も以前はそうでした。
でも求人を見ると、
「詳細設計経験」
「仕様検討経験」
「試作評価経験」
など、工程単位で条件が書かれていることがあります。
だからこそ、自分の経験も工程まで分けておく。
その方が求人との接点を見つけやすくなります。
もちろん、
構想設計をやっている人の方が上。
詳細設計中心だから市場価値が低い。
という話ではありません。
その求人で求められている工程と、自分の経験がどこで重なるか。
ここを見る考え方です。
使用してきた技術・ツール
- 3D CAD
- 2D CAD
- CAE
こうした技術やツールも、求人を比較するときの材料になります。
ただし、
「同じCADを使っているから応募できそう」
だけで判断するのは少し早いところ。
同じ3D CADでも、
構想検討に使っていたのか。
部品設計なのか。
筐体設計なのか。
機構設計なのか。
既存製品の設計変更が中心なのか。
使い方は違います。
ツール名だけではなく、そのツールを使って何をしていたのか。
ここまで整理すると、経験の中身が伝わりやすくなります。
どんな役割を担当してきたか
機械設計の仕事は、図面を作るだけではありません。
- 顧客との仕様調整
- 製造部門との調整
- 品質部門とのやり取り
- 購買との調整
- サプライヤー対応
- スケジュール管理
- リーダー
- 後輩指導
こうした経験もありますよね。
特に長く同じ会社で働いていると、
「これくらい誰でもやっている」
と思ってしまう仕事があります。
ところが会社が変われば、その経験が当たり前とは限りません。
社内では普通の仕事でも、求人では歓迎経験として書かれていることがあります。
市場価値を考えるときは、設計スキルだけに絞りすぎない方がよいでしょう。
その経験を求める求人が実際にあるか
最後に確認したいのが、自分の経験を必要としている求人が実際にあるか。
ここがかなり重要です。
本人が、
「この技術には自信がある」
と思っていても、その技術を求める求人が今どのくらいあるのかは別の話。
逆に、自分では大した経験ではないと思っていたことが、求人では求められている場合もあります。
たとえば、
- 量産不具合対応。
- サプライヤー調整。
- 顧客との仕様折衝。
- 設計変更。
- 製造部門との連携。
こうした経験ですね。
市場価値を自分の中だけで決めず、実際の求人とつなげて見る。
この視点を持つと、かなり整理しやすくなります。
市場価値を知る方法1|職務経歴を棚卸しする
ここからは、実際にどう確認していくかを見ていきます。
まず取り組みたいのが、自分の職務経歴の棚卸しです。
とはいえ、いきなり完璧な職務経歴書を作る必要はありません。
メモでも構いません。
まずは、
「自分はこれまで何をしてきたのか」
を分解してみます。
「機械設計○年」だけで終わらせない
私自身も最初は、
「機械設計を何年経験しているか」
という見方をしていました。
転職を重ねる中で変わったのは、
「何年」より、「どんな製品を、どの工程で、どこまで担当したか」
を見るようになったことです。
たとえば、
「機械設計10年」
だけだと、仕事内容がほとんど見えません。
そこで、
- 担当製品:産業機械
- 担当工程:詳細設計~試作・評価
- 使用技術:3D CAD、2D CAD
- 担当業務:部品設計、組立検討、図面作成
- 量産後:設計変更、不具合対応
- その他:製造部門・サプライヤーとの調整
と分けてみる。
これだけでも印象が変わりますよね。
自分の経験がどの求人とつながりそうなのか、比較しやすくなります。
自分では普通だと思っている仕事も書き出す
棚卸しするときは、派手な成果だけを探さなくても大丈夫です。
- 設計変更。
- 不具合対応。
- 量産対応。
- 製造部門との調整。
- サプライヤーとのやり取り。
- 顧客との仕様確認。
- 原価低減。
- 後輩への説明。
こうした日常業務も一度書き出してみましょう。
私自身も、普段の仕事として当たり前にやっていた不具合対応や調整業務について、転職時に質問されたことがあります。
こちらとしては、
「そんなところを見るんだ」
という感覚でした。
でも相手側からすれば、
どんなトラブルだったのか。
どう原因を考えたのか。
誰と調整したのか。
どう設計へ反映したのか。
というところから、その人の仕事の進め方が見えるわけですよね。
自分にとっての日常業務でも、会社の外では説明できる経験になることがあります。
なので、最初から、
「これは強みじゃない」
と捨てない方がよいでしょう。
成果だけでなく「どう関わったか」も整理する
職務経歴というと、
「コストを○%削減」
「○件の案件を担当」
「売上○円に貢献」
のような数字が必要だと思う方もいるでしょう。
もちろん数字で示せる成果があれば分かりやすいです。
ただ、すべての技術者が分かりやすい数字を持っているわけではありません。
特に機械設計では、成果がチーム単位になる仕事も多いですよね。
そんなときは、
- どんな課題があったのか。
- 自分は何を担当したのか。
- どこまで判断したのか。
- 誰と調整したのか。
- どう対応したのか。
まで振り返ります。
結果だけでなく、
その仕事の中で自分がどんな役割を果たしたのか。
ここを整理しておくと、求人や面接でも説明しやすくなります。

市場価値を知る方法2|実際の求人と自分の経験を照らし合わせる
経験を整理したら、次は実際の求人を見てみます。
転職する気がなくても大丈夫です。
この段階の目的は、応募する会社を決めることではありません。
自分の経験が、どんな求人で求められているのかを見ること。
まずはそこからです。
求人年収だけを見ない
求人を見ると、どうしても年収へ目が行きますよね。
「年収800万円」
「年収1000万円まで」
という数字は目立ちます。
私も求人を見るときは、もちろん気になります。
ただ、高年収求人があることと、自分がその条件で採用されることは別です。
最初に確認したいのは仕事内容と応募要件。
どんな製品経験が必要なのか。
どこまでの工程経験を求めているのか。
どんな技術を使うのか。
どんな役割を期待されているのか。
自分の経験とどこが重なるのか。
そのあとに年収を見る。
この順番の方が、求人を冷静に見やすくなります。
求人年収=自分の市場価値
ではありません。
あくまで、そのポジションに設定されている条件のひとつです。
求人と自分を5項目で比較する
求人を見るときは、次の5項目に分けると比較しやすくなります。
1.担当製品
自分が経験してきた製品と、求人で扱う製品は近いか。
2.担当工程
構想、詳細設計、評価、量産対応など、どこが重なるか。
3.使用技術
CAD、解析、材料、加工、機構など、使える経験はあるか。
4.期待される役割
- 担当者なのか。
- 顧客調整も求められるのか。
- リーダーとして期待されているのか。
5.条件
- 年収
- 勤務地
- 働き方
- 出張
- 転勤
などです。
たとえば、
自分は産業機械の詳細設計経験がある。
求人も産業機械。
詳細設計経験が必須。
使用しているCADも近い。
ただし求人では顧客との仕様調整も求められる。
ここまで見れば、
「設計経験は近いけれど、顧客調整の部分は確認した方がよさそう」
と分かります。
一致数を数えて、
「5個中4個だから適合率80%」
のように考える必要はありません。
採用はそんなに単純ではありませんから。
大切なのは、
自分と求人のどこがつながり、どこを確認する必要があるのか
を把握することです。

求人票に書かれていない部分にも注意する
求人票だけでは分からないこともあります。
- 具体的な担当範囲
- 配属部署
- 設計と評価の比率
- 新規設計と既存設計変更の割合
- 量産対応
- 出張
- 転勤
- 使用する設備
- チーム構成
ここまで細かく書かれていない求人もありますよね。
だから、
「書かれていない=ない」
とは考えない方がよいでしょう。
気になる求人があれば、選考や相談時に確認したい項目として残しておきます。
求人票の読み方については、別記事で詳しく整理しているので、そちらを参考にしてください。
市場価値を知る方法3|製造業に強い転職エージェントへ相談する
ここまで自分で整理しても、
「結局、この経験ならどんな求人が候補になるんだろう?」
と分からないことがあります。
特に同じ会社に長く勤めていると、社内では自分の経験が普通すぎて、どこが社外で説明できるのか判断しにくいものです。
そんな場合は、製造業に詳しい転職エージェントへ相談する方法もあります。
「自分はいくら?」ではなく「どんな求人につながる?」と聞く
市場価値について相談するとき、
「私の市場価値はいくらですか?」
と聞きたくなりますよね。
でも個人的には、もう少し具体的に質問した方が役立つ情報を得やすいと感じています。
たとえば、
- 「この経験なら、どんなメーカー求人が候補になりますか?」
- 「自分の経験の中で、求人側へ説明しやすそうな部分はどこですか?」
- 「今の経験で、メーカー正社員の求人はどんなものがありますか?」
- 「今後どんな経験を積むと、選択肢が広がりそうですか?」
といった聞き方です。
これなら、
「あなたの市場価値は○○万円」
という一つの数字ではなく、
自分の経験がどんな仕事につながるのか
を確認できます。
市場価値をキャリアへ活かすなら、こちらの方が実用的ではないでしょうか。
自分では強みと思っていない経験も相談材料になる
相談するときも、目立つ実績だけを話す必要はありません。
- 量産不具合への対応
- 設計変更
- 顧客との仕様調整
- 製造部門との調整
- サプライヤー対応
- コストダウン
- 後輩指導
こうした経験も伝えてみます。
自分では、
「どこの会社でもやることでしょ」
と思っているかもしれません。
でも、求人によって求める経験は違います。
自分では強みと考えていなかった経験が、特定の求人では接点になることもあるでしょう。
逆に、自分では強みだと思っていても、希望する求人では別の経験が重視されるかもしれません。
だからこそ、
自分だけで価値を決めず、求人との関係で見る。
ここでも考え方は同じです。
メーカーズジョブで製造業のキャリアを相談する
製造業の求人やキャリアについて相談する選択肢のひとつが、メーカーズジョブです。
メーカーズジョブは製造業に特化した転職支援サービスで、初回面談では現在の状況や転職目的、希望条件などを確認し、経験・スキルに合わせて今後のキャリアプランを整理する流れが案内されています。
その後は、希望に沿った求人の提案や、求人選定などについて相談する形です。
ただこの記事では、
「メーカーズジョブを使えば正確な市場価値が分かる」
という意味で紹介しているわけではありません。
「メーカーズジョブ=市場価値診断サービス」でもありません。
そうではなく、
「自分が製造業で積んできた経験を、どんな求人やキャリアへつなげられそうか相談する選択肢」
として考えてるということです。
自分一人では、
「この経験が他社でどう使えるのか分からない」
「メーカー求人を見ても、自分が対象になるのか判断しにくい」
ということがありますよね。
そんなときは、相談しながら整理する方法もあります。
そして、相談した結果、
- 今は転職しない。
- もう少し経験を積む。
- 希望に近い求人があれば検討する。
という判断でも構いません。
転職エージェントを使うことと、必ず転職することは別です。
自分の経験がどんなメーカー求人で活かせるか確認したい方へ
市場価値は、年収の数字だけでなく、
「自分の経験を求める求人がどこにあるのか」
を確認することも大切です。
- 担当してきた製品
- 工程
- 技術
- 役割
- 希望する勤務地や条件
こうした内容を整理しながら、製造業での今後のキャリアや求人の選択肢について相談したい場合は、メーカーズジョブを利用する方法も検討してみましょう。
相談した内容もひとつの判断材料として使いながら、自分に合う選択肢を考えてみてください。
市場価値を知る方法4|現職での評価と社外で求められる経験を比較する
市場価値を考えるときは、今の会社での評価と社外の求人を分けて見ることも大切です。
会社の中で評価されていることと、社外で求められていること。
同じ場合もあれば、違うこともあります。
社内では当たり前の仕事が社外では経験になることもある
たとえば現職で、
「また量産不具合の対応か」
と思っている仕事があるとします。
毎日のように対応していると、特別な経験には感じませんよね。
ところが求人を見ると、
「量産トラブル対応経験歓迎」
「不具合解析経験をお持ちの方」
と書かれていることがあります。
すると、社内では当たり前だった仕事が、社外では説明できる経験だと分かります。
ほかにも、
- 製造部門との調整
- サプライヤーへの確認
- 設計変更
- 顧客からの要求整理
こういった仕事も同じです。
本人にとっては日常。
でも、求人側から見ると必要な経験。
そんなことがあります。
社内で普通だからといって、
「市場では価値がない」
とは限りません。
社内評価が低い=市場価値が低いとは限らない
今の会社であまり評価されていないから、
「自分には市場価値がない」
と考える必要もありません。
会社によって評価制度は違います。
必要な人材も違います。
事業内容も違います。
一方で、
「今の会社で評価が高いから、どの会社でも同じように評価される」
とも限りません。
今の会社では重要な経験でも、別の会社では違う経験を求めているかもしれないからです。
だから、
- 社内評価。
- 社外求人。
- 転職エージェントなどから得た情報。
- 実際の選考。
それぞれを別の情報として見る。
どれか一つを絶対視せず、
複数の材料から自分の選択肢を考える。
そんな見方がよいでしょう。
機械設計者の転職活動は、求人に応募する前に、転職前の判断・市場価値・求人選び・企業研究・職務経歴書まで順番に整理しておくと進めやすくなります。
エンジニアが市場価値を確認するときの注意点
市場価値という言葉は分かりやすい一方で、少し曖昧でもあります。
「高い」「低い」だけで考えると、必要以上に一喜一憂しやすくなります。
市場価値をキャリアに役立てるなら、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
市場価値は1つの数字では表しにくい
「あなたの市場価値は年収700万円」
と数字で出ると、分かりやすいですよね。
でも実際には、
- 会社
- 職種
- 勤務地
- 仕事内容
- 募集背景
- ポジション
- 採用時期
によって条件は変わります。
同じ人でも、応募する求人が変われば、評価される経験も違ってくるでしょう。
たとえば、
詳細設計経験を求めている求人。
量産立ち上げを重視する求人。
マネジメント経験を必要としている求人。
それぞれ見るポイントが違います。
そのため、市場価値を固定された値札のように考えない。
ここは覚えておきたいところです。
求人年収=自分の提示年収ではない
求人票に、
「年収600万円~900万円」
と書かれていても、自分が900万円で入社できるとは限りません。
実際の条件は、
- 経験
- 職位
- スキル
- 担当業務
- 期待される役割
- 選考
などによって変わる可能性があります。
求人の年収レンジは企業を比較する材料。
自分が実際に提示される条件は別。
この2つを分けて考えると、求人を冷静に見やすくなります。
1人の転職エージェントの意見だけで決めない
転職エージェントへ相談すると、キャリアについていろいろな意見をもらえます。
専門的な情報を持っていることもあり、参考になります。
ただし、その意見だけを答えにする必要はありません。
私自身、3回目の転職では、同じ転職について相談しても、相手によって見方が違うと感じた経験があります。
ある視点では、
「その条件では難しい」
と見える。
一方で、別の求人や見方では選択肢が出てくる。
そんなこともありました。
だから今は、
- 転職エージェントの意見
- 実際に出ている求人
- 仕事内容
- 提示条件
- 選考で得た情報
こうしたものを合わせて見るようにしています。
一人から、
「難しい」
と言われたからといって、すべての可能性がなくなるわけではありません。
逆に、
「転職できますよ」
と言われただけで安心するのも早いでしょう。
最終的には、自分で複数の情報を見て決めることになります。
「市場価値が低い」と必要以上に落ち込まない
市場価値を確認した結果、希望条件に合う求人が少ない場合もあります。
でも、
求人が少ない=自分に価値がない
ではありません。
勤務地の条件が厳しいのかもしれません。
希望年収が高いのかもしれない。
今の経験と求人ニーズのタイミングが合っていない可能性もあります。
あと一つ経験が加われば、候補が増えることもあるでしょう。
たとえば、
- 評価経験
- 量産立ち上げ
- 顧客との仕様調整
- リーダー経験
今後積めそうなものが見つかれば、
「市場価値が低い」
ではなく、
「次に何を経験するかが見えた」
と考えることもできます。
市場価値は、自分に点数をつけるためのものではありません。
次の行動を考えるための材料の1つです。
転職する気がなくても市場価値を確認しておく意味
ここまで読んで、
「結局、市場価値を確認したら転職した方がいいの?」
と思う方もいるでしょう。
必ずしも、そうではありません。
- まず経験を棚卸しする。
- 実際の求人を見る。
- 自分の経験と照らし合わせる。
- 必要なら製造業に詳しい人へ相談する。
- 今の会社と社外の選択肢を比較する。

そこまでやった結果、
- 今の会社に残る。
- 不足している経験を積む。
- 社内異動を考える。
- 転職活動を始める。
どれを選んでも構いません。

私は、
転職活動=すぐ応募することではない
と考えています。
求人を見る。
自分の経験を整理する。
社外ではどんな仕事があるのか知る。
市場価値について相談する。
ここまでやったうえで、
「今は転職しない」
という判断もあります。
むしろ外を見たからこそ、
「今の会社でもう少しこの経験を積もう」
と納得できることもありますよね。
逆に、
「今の経験なら、思っていたより選択肢がありそうだ」
と分かれば、そこから転職を考えればよいでしょう。
重要なのは、選択肢を知らないまま決めるのではなく、一度確認したうえで自分で選ぶこと。
市場価値を確認しておく意味は、そこにあります。
まとめ|市場価値は「自分の経験を求める求人があるか」で確認しよう
エンジニアが自分の市場価値を知りたいとき、
「年収はいくらか」
だけを考える必要はありません。
スカウトが何件届いたかだけで判断する必要もないでしょう。
機械設計・メーカー技術職なら、まず自分の経験を分解してみます。
- 担当製品
- 担当工程
- 使用技術
- 役割
- 設計変更
- 不具合対応
- 量産経験
- 他部署との調整
- 顧客やサプライヤーとのやり取り
こうして整理すると、
「機械設計○年」
だけでは見えなかった経験が出てきます。
そのうえで、実際の求人と照らし合わせる。
- 自分の経験を必要としている求人があるのか。
- どこまで経験が重なるのか。
- 今後どんな経験を積むと選択肢が増えそうか。
ここまで見ると、「市場価値」という言葉が少し具体的になります。
私自身も3回の転職を経験する中で、
「機械設計を何年やったか」
だけではなく、
「何を・どの工程で・どこまで担当してきたか」
を見るようになりました。
自分では普通だと思っていた不具合対応や調整業務が、転職時には説明材料になったこともあります。
そして、自分だけでは求人との接点を判断しにくければ、製造業に詳しい転職エージェントへ相談する方法を検討します。
ただし、相談先の意見だけを答えにする必要はありません。
- 実際の求人
- 自分の希望
- 今の会社で積める経験
- 勤務地や年収などの条件
それらも合わせて考える。
その結果、
- 転職する。
- 今の会社に残る。
- 社内異動する。
- もう少し経験を積む。
どれを選んでもいいですよね。
市場価値を確認することは、転職を決めることではありません。
自分が今どこにいて、これからどんな選択肢を持てそうかを知ること。
まずは、
「自分は何年働いたか」
ではなく、
「これまで何を、どこまで経験してきたか」
を書き出してみるところから始めてみてください。
その経験を求める求人と出会えれば、自分では気づいていなかった選択肢が見えてくるかもしれません。
この記事を読んで、今の年収や今後の収入に不安がある方は、年収だけでなく市場価値や求人選びもあわせて確認しておきましょう。
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